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エキスパートコラム

ホームページづくり初心者のためのコミュニケーション術
~「伝える」から「伝わる」に進化させるコツ~(全6回)

第6回:これからの時代に求められるホームページへの取り組み姿勢

執筆:河合 義徳(有限会社バックステージ)

2014年9月22日更新

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このコラムでは、ホームページづくりやその運営が楽しくなる「コミュニケーション術」を述べてきました。最終回の今回は、これまでお伝えしてきたことの整理につながる事例を2つ紹介します。

その1 ~店頭で接客するかのような感覚で丁寧に作られている事例~

昨今、さまざまな事業分野で、サービス内容が多様化しています。分野や、地域に特化して、新規開店開業する小規模事業者も少なくありません。それに伴い、各事業者は、具体的にどんな「顧客」に喜んでもらう「何屋さん」なのかを、一言で表現することが、難しくなってきました。

「解ってくれる人に解ってもらえればいい」という事業主もいるかもしれません。しかし、「誰のための何屋さん」なのかくらいは、簡潔明瞭に表現したいところです。第1回「あなたのコミュニケーション相手は…どなた?」では、自分でホームページを制作することは、経営者の方向性が、顧客だけでなく、従業員や各方面の取引先にも解りやすいものにする良い機会になり、それこそが「伝わるホームページ」への一歩目となるということを述べました。

専用知識やソフトがなくても気軽でカンタンに制作できるJimdoのようなツールは、確かに便利です。しかし、事業目的を誰でも解る一言で表すことが整理できていない状態では、真っ白いキャンバスに何を描いて良いのか筆が止まったままと同じ状態になります。また、整理されないまま作ったところで、結局「誰に何を訴えたいお店なのか?」と、ホームページ訪問者に見向きもされない状態にもなりかねません。

第2回「店舗接客とホームページとのコミュニケーションの違い」では、ホームページの運営を、リアルな店舗運営で喩えて述べました。訪れた人には、店内の奥のほうへ進みたくなるように興味を惹き、店内滞在時間を長くしてもらう意識を持ちましょうという話です。また、店頭のディスプレイは、ホームページでいうとトップページに該当しますが、「見やすさ」「わかりやすさ」がとても大切。それは、『お客さまへの配慮』を象徴している姿勢であり、売上や問い合わせ増加につながる可能性が高くなります。

この「整理」と「見やすさ」を意識されたホームページの事例が、オーダーキッチンとオーダー家具の制作販売のKitoBito(きとびと)さんです。特にトップページは、言葉は最小限に留め、プロカメラマンによる写真も上手に活用して、とてもスッキリしています。

KitoBito ホームページ

スッキリしたトップページ

KitoBito ホームページ

階層化の使い方も上手

こういう事例の提示により「センスがある人だからできること。自分には難しい。」とあきらめる人もいます。もちろん、ある程度のセンスは必要ですが、この制作者は、随分とアナログなことを入念にしていました。パソコンに向かう前に、まず「誰に」「どういうことを響かせて」「どこを読んでもらおう」ということを、数枚に渡る紙に手書きで整理していたのです。働いているスタッフの存在もしっかりと意識した中で、何度も書き直していました。

また、ビジュアルの美しさが顧客の心に響くことも重視して、商品撮影はプロカメラマンに依頼するなど、必要経費への意思決定も「お客さまへの配慮」の表れです。JimdoCafeも活用され、さまざまなパソコン操作方法や方向性の確認だけでなく、自分の見せ方が第三者にはどのように見えるかのという情報収集もしていました。そうした地道な努力と「伝わる」ことを意識した接客姿勢こそが大切なのです。

KitoBito ホームページ

高品質のビジュアルは印象を良くする

KitoBitoさんのホームページでは、当初より文章量の多さが課題でした。しかし、それには理由がありました。納品されるまでの顧客とのやりとりや、モノづくりの背景などを語ったストーリー性とお客さまの感動を大切にしたいという想いを、事業運営の「芯」にしています。

そこで、ホームページ訪問者には、いきなり大量の文章を目に触れさせるのではなく、伝えたいことを丁寧に「カテゴリー分け」をしています。そして、トップページは「雑誌の表紙や目次のようにして、詳細は奥へ奥へと誘導する構成となりました。もちろん、制作者本人にしてみれば、ホームページのさらなる進化の意欲は止まりません。しかし、店頭での接客と同じように、常に向上心を持ち続ける意欲こそが、対面接客ができないホームページでの「おもてなし」である気がします。

その2 ~「商品の先にある幸せ」を顧客と共有している事例~

事業経営者が、取り扱い商品に自信があるのは当然です。しかし、お客さま側に立つと、商品そのものよりも、それを購入した先にある「幸せ感」や「満足の本質」を探し当てることのほうが重要です。第3回「上質のコミュニケーションを実現するためのアプローチ方法」では、ホームページ制作だけの話ではなく、事業者として大切にしておきたい意識として、このコラム連載の「肝」「核」とも言えるものでした。

さらに、第4回「ネット上のコミュニケーションツールの整理」では、顧客とのコミュニケーション力を強固なものにしてくれる可能性があるSNSやブログについて取り上げました。まず、自分自身が気軽に楽しめそうと思えるツールから身の丈の範囲から試すと、継続的にスキルアップできるということを述べています。

この2つのコラムの象徴的なホームページ事例を紹介しましょう。商品そのものの先にある幸せ感を「写真ブログ」で表現して、その後も購入者とのコミュニケーションを楽しんでいるのが、手作りのテディベア販売しているFairy Saddle(フェアリーサドル)さんのホームページです。

Fairy Saddle ホームページ

作家さんが「JimdoCafe 個別相談会」に来た時、机の上に手づくりテディベアを座らせ、「“営業マン”のpan-chiです」という紹介がありました。
私達が“彼”を見た時、エンドユーザーにとっては、飾っておくだけの「所有満足」よりも、「共同生活満足」が感じられました。このテディベアの表情や動きは、まるで1人の家族が加わったかのように、購入者の暮らしの思い出となる「楽しみ方」のイメージが浮かんだからです。

これにより、「テディベアの商品化」というより、テディベアと一緒に愉しい暮らしをつくる「ワクワク感の商品化」を表現することで、存在価値の訴求に絞るほうが心に響く人が多いのでは?という仮説が浮かびました。それと同時に、作家さん自身のブログにも着目しました。そこで見出したのは、趣味レベルとは言え、何とも言えぬ素朴で等身大の表情を捉えるカメラ撮影のセンスです。

これらを組み合わせて、この日から「pan-chi君」目線の何気ない日常を、「pan-chi blog」という「写真ブログ」を掲載し始めました。これが、専用のfacebookページでも評判になります。

pan-chi blog

作家さんが数か月後に利用した「JimdoCafe 意見交換会」では、別の参加者から次のようなアイディアを受けます。「これだけpan-chi君の写真日記が楽しいなら、作家さんと同じように、購入した人もそれぞれのストーリーで写真を撮る人が増えそう。その画像を寄せてもらうと、さらに商品の先にある楽しさを共有できる。」

その仮説は「当たり」でした。商品を買っただけでなく、我が家にやってきた“新しい家族”との暮らしの様子を画像に残すことが、購入者の愉しみのひとつになってきます。外出先にも連れて行って、野外やカフェレストランなどで「一緒に過ごすシーン」を撮る…それが「pan-chi friend blog」というページに綴られています。

こうなると、いつの間にか「販売者と購入者」という関係というより、「生みの親と里親」のような和やかなコミュニケーションになり、作家さんの次への制作活動へのモチベーションアップにつながっています。

pan-chi blog

この2つの事例にみるように、小規模事業者だからこそ表現できる「個性」があります。
そして、自らホームページをつくることが、自分達の個性が顧客にとってどのような価値創造につながる可能性があるのかを、仮説を立て検証を続けてブラッシュアップすることが大切です。自分らしい個性が共感につながるように解りやすく伝えよう」という気構えが、コミュニケーション力を磨くためのひとつの要素になるのかもしれません。

その3 ~これからは小規模事業者にとってチャンス到来~

神戸と大阪のJimdoCafeでは、利用者の大半が小規模事業者・個人事業主です。その中には、地域や特定分野に特化して、顧客支持率が高い価値を産み出している事業者もいます。
私達は、そうしたことを目の当たりにする都度、「これからは小規模事業者が地域経済の基盤を創る時代が来る」という希望が膨らんでいます。

今後日本は、過去に経験したことがない経済環境を迎えます。それは、人口減に伴う長期的なマーケット規模の縮小という「日本全体の過疎化」という事態です。過去100年間で3倍近く増えた人口が、2050年までに約3割近く減る人口推移になります。平成24年度の国土交通白書によると、20代・30代の人口は、各地域で劇的に減少する状態を予測…つまり、今までのように経済成長することが前提でモノが売れる時代ではなくなるということです。

それだけに、今後は消費者に対する事業者の姿勢としては、「供給のあり方」というより、「共感のあり方」を重視すべき時代となる可能性が高くなります。一過性のブームや画一的な大量生産による大手流通が厳しい環境になる一方、特定の地域と分野に特化し、生活者目線による価値創造を続け、長く細く愛される小規模事業者が、経済基盤の主流になる可能性を充分に秘めています。
こうした時代を迎えるにあたり、小規模事業者に求められるホームページへの取り組み姿勢として、次の2つの「人とのつながり方」がとても大切になります。

(1) 事業者の等身大で表現する

ホームページづくりにおいて「かっこいいデザインにしたい」「大手に負けないものにしたい」という点に高い意欲を持つ人が少なくありません。それが悪い事とは言いませんが、「どういう顧客に自分の商品がどれだけ必要とされるか」をしっかりと整理して把握することのほうが最優先です。「人のつながり方」が重視される時代には、無理な背伸びをすることなく、顧客にとって必要な価値を提供し続ける「自分」をいかに「等身大」で表現できるかどうかがとても大切になります。
第1回コラムの「自分の整理の機会」を丁寧に行い、第3回コラムの「提供する商品の先にある顧客の幸せ」を追求することを積み重ねていく…これを等身大の「自分らしさ」で表現し続け、共感する顧客を増やすことを地道に続けてください。

(2) リアルな接点を持つ

ホームページ開設後は、ネット上での集客も意識したSEO対策は重要です。しかし、こればかりに意識が行ってしまい、「ホームページが独り歩きする営業マンとなり、自動的に新たな顧客獲得が必ずできる」と誤解してはいけません。
バーチャルな世界にだけ頼るのではなく、ぜひ、さまざまな会合などにも積極的に出向き、リアルな接点から「人のつながり」を築くことを怠らないでください。さまざまな価値観の人と接点を持つことで、新たな価値が生まれることもあります。また、今のホームページの見え方・伝わり方についての的確な進言により、ホームページをブラッシュアップする良い機会になることもあります。

Jimdoイベントなどでリアルな交流を図るのも良い

まとめ

基本、完璧なホームページというのは、なかなか存在しません。今回事例提示に協力いただいたKitoBitoさんも、フェアリーサドルさんも、顧客とのコミュニケーション力を高めるための飽くなき挑戦は今も続いています。しかし、現時点でも「顧客との接点を大切にしたい」という姿勢は、ホームページから伝わってくるものがあります。それこそが「伝わる」ホームページの原点ではないでしょうか。

皆さんも、等身大の「自分らしさ」を大切にして、「事業方向性を常に整理確認をする」「顧客への気配りを意識する」「そのための仮説と検証を行う」…これを継続的に取り組み、ブラッシュアップへの挑戦を楽しんでください。

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河合 義徳(かわい・よしのり)

河合 義徳(かわい・よしのり)

有限会社バックステージ 代表取締役/JimdoEvangelist
http://backstage-inc.jimdo.com/

大阪市を拠点に活動する事業カウンセリングの会社代表。
金融業界を経て、2002年に有限会社バックステージを設立。小規模事業者向けに、潜在的マーケットの開拓、組織運営円滑化、資産の再活性化など、事業バリューアップの支援を行う。JimdoExpertの近藤光央氏と共同で、神戸と大阪において「成果が上がるホームページ」をテーマとした「JimdoCafe」も運営中。現在までの利用者は500名を超える。

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