スマートフォンサイトを表示する

  1. TOP
  2. 写真撮影実践講座 : 第1回 牛肉スライス500g

エキスパートコラム

写真撮影実践講座(全6回)

第1回:牛肉スライス500g

執筆:鍋坂樹伸(コマーシャルフォト サン・スタジオ)

2013年8月7日更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

閲覧数11,937views

このコラムをPDF形式でダウンロードする

「写真撮影実践」では、実際の商品を撮影し、ライティングやレイアウト、周辺のコーディネートに関するポイントを解説します。第1回は、食べ物の中でも人気が高く、高級なイメージのある牛肉の撮影です(商品提供:九州食肉学問所)。

生ものの撮影はスピードが命

みなさんは、生鮮食品の撮影は「難しい」とか「面倒くさい」と考えてはいませんか?事前に仕上がりをイメージし、準備さえしていれば、時間もかからず簡単に美しい写真が撮影できます。

事実、食品の中でも生鮮食品は、空気に触れたり、撮影現場の室温、調理後の時間経過で鮮度が落ちたり、食べごろの状態から遠ざかってしまうことで、見た目が悪くなります。

ライティングやアングルにこだわっても、劣化した被写体だと写りが悪くなり、食欲や購買意欲をかきたてられる写真にはなりません。撮影しながらレイアウトや小物を考える場合もありますが、事前準備を入念に行い、手早く撮影することが生鮮食品を撮影するコツです。

キーワードは「スピード」です。

荷姿、梱包状態の写真は、形を整えて撮影する

今回撮影した順番通りに解説します。

  1. はじめに、梱包状態を撮影しました。ダンボールの蓋を開けた状態は確かに荷姿ですが、肉の並びが乱れており、ビニールに覆われているので表面が反射しています。
  2. 商品が入っているケースには、食品用包装フィルム(ラップ)が貼られていましたが、照明の反射に影響がなかったので、ブランド牛の証である金のラベルを右下に配置し撮影しました。
  3. 照明機材は右側に据え、商品を照らしました。
  4. 肉一枚一枚に鮮度を保つためのビニールシートが巻かれており、肉の重ね方によっては反射が目立ちます。照明機材を動かしたり、肉の並べ方や方向を変え、反射が減るように工夫しました。

商品が届いた状態

[箱の蓋を内側に折り曲げて形を整える] 左:肉を左側から重ねる 右:肉を右側から重ねる

真俯瞰(真上から)の撮影ポイントは、カメラのレンズを商品と平行(真正面)に設置することで、長方形の箱が台形に歪むことを防ぎます。感覚をつかむまでは商品を床に置き、真上の位置からカメラを構えて撮影することをお勧めします。

真下に向かってカメラを構えると、撮影姿勢に無理が出るので、下の写真のように商品を置いている台を少しカメラ側に傾け、台に平行になるようにカメラを傾けると、撮影姿勢が少し楽になります。

商品向かって右奥から一灯、明るさを確保しつつ、影を弱めるため左手前にL 字にレフ板を置く

それでは、説明写真とイメージ写真の撮影方法を詳しく解説しましょう(説明写真とイメージ写真の違いについては、「写真撮影入門 第2回:撮影する写真は2種類」を参照)。

説明写真は内容を伝えつつ、美しく見えるアングルを探す

説明写真は、アングルを考えることがポイントです。

注意点は、肉の分量が正確にわかり、かつ、美しく見えるようなアングルを探すことです。赤い肉だけでは生々しくなるので、周囲をパセリなどのグリーンで飾りました。

左:荷姿同様、真俯瞰で撮影 右:斜俯瞰から撮影

※POINT

説明写真では、盛り付ける器も変えました。たとえば、お店で売っている刺身はプラスティックの容器に盛り付けてあります。プラスティックの容器のまま食卓に並べるよりも、皿に盛り付けなおした方が見た目も美しく、味も美味しく感じられます。商品の分量に適した器を準備するのは大変かもしれませんが、これだけで写真のクオリティーがワンランクあがります。

イメージ写真は「木」も「森」もみる

「木を見て森を見ず」という言葉があります。細部だけにこだわって全体の雰囲気を見落とすという意味ですが、写真撮影では引きの(視野の広い)写真としても、寄りの(視野の狭い)写真としても、撮影するのが理想です。

どちらの場合も、ほかの被写体と一緒に撮影する場合は、メインとなる被写体の周りを特に注意します。ここでは牛肉という商品をもっとも引き立たせたいので、牛肉の写りを最優先に考えます。

すき焼きの鍋や食材を食卓に並べたイメージで、調理前の肉を関連小物と一緒にレイアウトし撮影しました。肉の向きで購買意欲が変わると考え、どのフリ(方向)で撮影すると美味しそうに見えるのかを考えながら数パターン撮影しました。また、テーブルの材質として、無垢の木目と黒塗りのどちらがマッチするかを確認しながら撮影しました。

背景の素材や色、主役の肉の見え方を確認

鍋、野菜、卵、タレの小瓶がほぼ写り切る画角で撮影しましたが、肉が目立つにはどの並べ方がよいかは、トリミングで確認します。

肉が目立つようにトリミングをする

主題である肉のアングルに加えて、背景の素材や色の選びも工夫しました。
家族団らんの時に食べてほしい場合は、テーブルを想像しやすくなる木目の背景で撮影します。大切なお客さまへの贈り物の場合、高級感のある黒い背景などを使用すると、写真を見た利用者は想像しやすくなります。

※POINT

形が自由に変えられる柔らかい商品は、何らかの方法で「固く」すると、扱いやすくなると同時に、レイアウトもしやすくなります。豚肉や鳥肉と違い、牛肉の特徴は肉の「赤色」。常温に近づくと赤味が増します。反対に、きれいに入った脂身(サシ)は、常温に近づくと色が薄くなります。こういった特徴をふまえて、今回は少し凍っている状態でレイアウトし、とけだしたタイミングで撮影しました。

    12

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
このコラムをPDF形式でダウンロードする

鍋坂樹伸(なべさか・しげのぶ)

鍋坂樹伸(なべさか・しげのぶ)

コマーシャルフォト サン・スタジオ 所属

1975年、兵庫県姫路市生まれ。中央学院大学商学部商学科卒業。香川県高松市在住。東京都内の印刷会社営業職を経て、2003年に実家が運営する「コマーシャルフォト サン・スタジオ」入社。広告写真家として活動し、食品・洋服・人物・風景など、さまざまなジャンルの撮影に対応。
2012年より専門学校 穴吹デザインカレッジにて非常勤講師をつとめるかたわら、企業や団体が主催するセミナーでも講師をつとめる。
CSS Nite in TAKAMATSU オフィシャルフォトグラファー。
著書『Web制作と運営のための写真撮影&ディレクション教本~段取りから準備、撮影テクニック、実践ポイントまで~』(マイナビ)。

Web制作と運営のための写真撮影&ディレクション教本

  • 1年間無料

    「はじめてWEB」でホームページをはじめよう!
  • 晴れ晴れホームページ -ホームページで失敗しないために知っておきたいコト-
  • 15分×7日間 無料でできる はじめてのホームページらくらく作成ガイド

ホームページを作るのがはじめてのかたはまずこちらをご覧ください

コラム週間アクセスランキング[期間:2016/8/14~2016/8/20]

おすすめコンテンツ

はじめてWEBおすすめ本

創業・経営のお役立ち情報

  • ソウギョウノート

    飲食・小売・サービス業での開業スケジュールから融資申込に必要な書類が作成できるサービスです

  • SmaBI

    会社設立から契約書作成ツール、オンライン上の経営顧問まで スマートな経営をサポート

  • 経理通信

    中小企業・小規模事業者の経営者と経理担当者のための経理サポートサイト