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エキスパートコラム

写真撮影実践講座(全6回)

第5回:大きい家具と小さなおもちゃ

執筆:鍋坂 樹伸(コマーシャルフォト サン・スタジオ)

2014年3月31日更新

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「写真撮影実践」では、実際の商品を撮影し、ライティングやレイアウト、周辺のコーディネートに関するポイントを解説します。第5回は、家具と小物の撮影です。

今回の撮影場所は、木製のテーブルや椅子、小物(赤ちゃん用のおもちゃ)を製作している会社です。幅が180cm越すテーブル、40cm程度の椅子、手のひらサイズの小物の撮影方法を解説します。

大きいものを撮影するときのポイント

みなさんは大きい被写体を撮影する場合、画角を広く(広角で)撮らないと全体が写らないからという理由で、焦点距離の短いレンズで撮らなければと考えていませんか。ズームレンズであれば、焦点距離の数字が小さい広角側をつい選んで撮影しがちです。

広角で撮影をすると、レンズの特性である歪曲収差のひとつである「樽型収差」によって、「近いものが大きく、遠くのものが小さく写る」という現象が起こります(後述参照)。

RAWデータで撮影し、あとから現像の際に修正する方法もありますが、撮影場所が屋外や広い空間の場合、なるべく望遠側で撮影すると、縦の直線が樽型にゆがんだり、手前の被写体が大きくなりすぎずに撮影できます(写真撮影入門 第11回:「RAWで撮影し現像にチャレンジ」参照)。

3アイテムとも焦点距離135mmで撮影。目立ったゆがみはない。カメラ位置を固定し、まったく同じ位置、同じ角度に被写体を設置すれば、被写体のサイズが変わったことが一目瞭然となる。この場合は右の椅子がひと回り大きい。

よりよいアングルを考える

商品詳細ページに載せる写真を撮影するとします。どの角度から見れば、複数の家具の形や大きさ、脚の部分のつくりや太さの違いが出せるのかを考えながら撮影することが大切です。

天板の形状の違いを一目瞭然で見せたい場合は、真俯瞰で撮影するとよいでしょう。真俯瞰で撮影する場合、被写体を地面から垂直に立て、カメラのレンズと平行になるようにセッティングすると、テーブルの特徴である天板の形がわかりやすくなります。

テーブルを特徴づける天板の形や柄。ヒヨコ型の天板のような個性的なテーブルは、真俯瞰から撮影した写真も掲載すると効果的。被写体が固いもの、形が崩れるようなものでなければ、真上から撮るのではなく垂直に立てて撮ると、無理な姿勢で撮影しなくて済む。

テーブルの脚も、形や材質を伝えるために、全体像の写真とは別に撮影するケースが多いものです。同じテーブルでも角度によって脚の見え方が異なります。被写体を回転させるなどして、利用者にわかりやすい角度を探しましょう。

同じテーブルの脚を異なるアングルから焦点距離200mmで撮影。同じ商品の同じパーツを撮影しても、角度によって見え方が異なる(ここでは右側のアングルが好ましいと判断)。

複数のテーブルの特徴をわかりやすくするために、それぞれのパーツをクローズアップして撮影。脚や金具形状が伝わりやすくなる。

イメージ写真は部屋に配置した状態で撮影

家具、雑貨、洋服を問わず、キービジュアルやバナーで利用する被写体については「イメージ写真」の撮影をおすすめします(キービジュアルについては 写真撮影入門 第7回:「メイン写真が変わると集客が変わる」、ロケーション撮影については 写真撮影入門 第2回:「撮影する写真は2種類」を参照)。

今回は、住宅のモデルルームで撮影しました。

ヒヨコ型テーブルをモデルルームのデッキの上に設置。商品が映えるように、椅子の位置、カップの位置を何度も調整した。

ダイニングテーブルのイメージ写真。家具を生活感のある場所に配置すると、利用者のイメージが喚起できる。

天板に工夫がなされていることを説明するための写真。

イメージ撮影で折れ脚を表現。使い方の提案につながる。

説明写真とイメージ写真の印象の違い。説明写真では商品だけを被写体として撮影するのに対し、イメージ写真では実際に使っている様子が想像できるシーンを撮影するのが基本。この商品は製作現場で撮影。

手のひらサイズの小物の撮影

塗装されていない天然の木を使ったおもちゃは、赤ちゃんが口に入れても安心ということで、人気商品のひとつです。

ひとつひとつ工夫を凝らして製作したおもちゃを、写真で伝えるにはどのようにしたらよいかを考えます。背景に白い紙(ケント紙)を敷いて商品を配置し、下に映る影も生かしてトリミング(切り抜き)をしました。

天然の木を使ったおもちゃを、背景に白い紙(ケント紙)を敷いて撮影。

もともと小さい被写体の一部分を拡大撮影する場合は、通常のレンズではピントが合わない場合があります。

各レンズには最短何cmまで被写体に近寄れるかという「最短焦点距離」があります。小さなものを大きく撮影したい場合は「マクロレンズ」を使う必要があります。取り扱う商品に小物が多い場合は、購入を検討するとよいでしょう。

広角レンズと望遠レンズの特徴と見え方の違い

広角レンズで撮影すると、手前が大きくなり距離が離れるほど小さく写ると述べました。全長約5mの自動車を、3つの焦点距離(24mm/70mm/200mm)で撮影した写真を比較してみましょう。

レンズの焦点距離が24mmの場合、左右のヘッドライトを比べてみると、向かって右側のライトが大きく写っています。また、後ろのタイヤに比べて手前のタイヤがずいぶん大きく写っています。背景に注目してみると、海の向こう側の山が小さく見え、右手には近くの建物が写り込んでいます。

一方、望遠レンズで撮った写真には目立ったゆがみがなく、被写体が客観的に表現されています。大きな被写体ということもあり、焦点距離が24mmの広角レンズでは、被写体までの物理的な距離が5m程度だったのに対し、200mmの望遠レンズでは約20mほど離れる必要がありました。

背景のボケ味にも変化があらわれます。望遠になればなるほど遠近感が弱まる反面、背景がボケやすくなる特性があります。広角レンズでの樽型収差とは反対に、望遠レンズでは「糸巻型収差」が起こり、写真の中心がくぼむような写り方をします。直線的な被写体でゆがみが気になる場合は、焦点距離を短くして(広角側で)撮影したほうがよいでしょう。

今回は絞りをf11で撮影しましたが、背景をぼかして被写体をいっそう浮き立たせたい場合は、絞りを開放側(f5.6やf2.8など)にして撮影するとよいでしょう(写真撮影入門 第6回:「今までに使ったことのない撮影モードにチャレンジ」参照)。

焦点距離24mmで撮影。歪曲収差の「樽型収差」が起こる。

焦点距離70mmで撮影。24mmで撮影した写真に比べて、被写体である自動車の形がゆがみなく写り、背景の山や建物が大きく写っている。遠近感がなくなっている証である。

焦点距離200mmで撮影。手前と後ろのタイヤがほぼ同じサイズに見え、自動車のゆがみも感じられない。70mmの写真に比べて、背景の建物や山がさらに大きく写っている。

まとめ

今回は、大きな家具と小さなおもちゃの撮影方法、レンズの特性による「ゆがみ(収差)」を解説しました。

イメージ撮影では意識しなかったゆがみが、説明写真では気になることがあります。これまでみなさんが撮影した画像を見返し、中心がふくらんでいる(樽型収差が起きている)ことで正しい形を伝えられていなかったとしたら、今後は被写体に応じて焦点距離の長いレンズで撮影するとよいでしょう。

室内で商品撮影をする際は、被写体からカメラまでの距離が重要です。広めの撮影場所を確保することも、イメージどおりの写真に仕上げるための近道です。

家具は生活用品です。
正確に被写体が写っているだけではなく、商品が生活に溶け込んだイメージを利用者に伝えることが大切です。撮影場所に小道具を持ち込んで工夫するのもよい方法ですが、可能であれば、モデルルームなど実際の生活空間に近い環境で撮影すると、利用者にとっていっそう印象深い写真になるでしょう。

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鍋坂樹伸(なべさか・しげのぶ)

鍋坂 樹伸(なべさか・しげのぶ)

コマーシャルフォト サン・スタジオ 所属

1975年、兵庫県姫路市生まれ。中央学院大学商学部商学科卒業。香川県高松市在住。東京都内の印刷会社営業職を経て、2003年に実家が運営する「コマーシャルフォト サン・スタジオ」入社。広告写真家として活動し、食品・洋服・人物・風景など、さまざまなジャンルの撮影に対応。
2012年より専門学校 穴吹デザインカレッジにて非常勤講師をつとめるかたわら、企業や団体が主催するセミナーでも講師をつとめる。
CSS Nite in TAKAMATSU オフィシャルフォトグラファー。

著書『Web制作と運営のための写真撮影&ディレクション教本~段取りから準備、撮影テクニック、実践ポイントまで~』(マイナビ)。

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