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エキスパートコラム

基本から学ぶSEO(検索エンジン最適化)(全12回)

第4回:Webマーケティング全体でのSEOの位置づけ

執筆:益子 貴寛(株式会社サイバーガーデン)

2014年8月11日更新

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「基本から学ぶSEO(検索エンジン最適化)」では、SEOの考え方や取り組み方を解説します。第4回は「Webマーケティング全体でのSEOの位置づけ」。マーケティングに関するさまざまな取り組みを「コンテンツ」「広報」「広告」の3つに分け、それぞれの手法とSEOとの関係について解説します。

さまざまなマーケティング手法

SEOは、ウェブで実施できるさまざまなマーケティング手法のひとつです。どのマーケティング手法を選択したほうがよいかは、会社や事業そのもの、扱っている製品や商品、提供しているサービスによって異なります。せまい視野で考えずに、幅広い選択肢のなかから「選ぶ」「組み合わせる」という意識が大切です。

ただし、SEOという言葉を使うかどうかは別にして、検索エンジンからコンテンツがきちんと評価されるための最低限の取り組みは、どのホームページにとっても必要です。取り組みの強弱、レベルの高低の違いが、SEOという言葉を使うかどうかの差と考えましょう。最低限の取り組みについては、第3回:「検索エンジンはページをどのように評価しているか」を参考にしてください。

さて、ウェブで実施できるマーケティング手法は「コンテンツ」「広報」「広告」の3つに分けられます。それぞれで代表的なものを、リアルでの手法と一緒にまとめると次のとおりです。

コンテンツ

  • 新しいコンテンツの企画
  • 既存のコンテンツの改善
  • SEO
  • 会員向けコンテンツの提供(会員ページなど)

広報

  • ニュースや新着情報
  • 新製品、新商品、新サービス情報
  • プレスリリース
  • メールマガジン
  • ソーシャルメディア(Facebook、Twitter、Lineなど)
  • クチコミサイト(価格.com、食べログなど)
  • まとめサイト(NAVERまとめなど)
  • リアル:キャンペーン(割引、期間限定、紹介など)
  • リアル:イベント(説明会、展示会、商談会など)
  • リアル:取材対応
  • リアル:記者会見

広告

  • リスティング広告(検索連動型のテキスト広告など)
  • ディスプレイ広告(イメージ広告など)
  • ランディングページ
  • インターネット広告(ポータルサイトなどへの出稿)
  • ネットワーク広告(複数の有力サイトへの出稿)
  • 記事広告やタイアップ広告(有料で記事として取り上げてもらうなど)
  • アライアンス広告(他社との提携関係にもとづく広告など)
  • 動画広告
  • アフィリエイト
  • ダイレクトメール
  • リアル:テレビ広告
  • リアル:新聞広告
  • リアル:雑誌広告
  • リアル:交通広告
  • リアル:看板・屋外広告
  • リアル:チラシ配布(手渡し、ポスティング、折り込みなど)
  • リアル:手紙や封書によるダイレクトメール
  • リアル:営業

冒頭に書いたとおり、どの手法を採用するのがよいか、予算や人手の観点から採用できるかどうかは、事業やホームページの性格によって大きく異なりますが、まず本質的な取り組みとして「コンテンツ」に注目したいところです。

「広報」と「広告」の区別は、基本的に「情報掲載に対してお金を支払うかどうか」です。代理店や代行サービスを有料で利用する場合もありますが、あくまで「掲載そのものに対する費用が発生するかどうか」で考えるのが一般的です。たとえば、新製品を発表し、メディアから取材を受け、記事が掲載されるというプロセスは「広報」ですが、お金を払って記事を書いてもらった場合は「広告」(記事広告)です。

「コンテンツ」にはSEOが不可欠

消費者からの要望にこたえたり、商品やサービスの魅力を伝えるために、新しいコンテンツを企画すること、既存コンテンツの中身を充実させることは、ホームページがいっそう多くの人に役立ち、結果として顧客が増えることにつながります。このことを「コンテンツ・マーケティング」と呼んだりしますが(詳しくは、知らないと損をするサーバーの話「コンテンツマーケティングはこう進める!事例から学ぶ成功法則」を参照)、本来、ホームページは「かくあるべき」といえます。

さらに、コンテンツが検索エンジンからきちんと評価され、多くの人に情報が届けられるための施策が必要です。これは取りも直さず、SEOの役割です。また、消費者がどのようなキーワードで訪れたかを確認し、ニーズに合った情報を提供するなど、コンテンツの追加や修正を継続的に行うこと、中長期的な集客を目指すことが大切です。SEOの観点からのコンテンツ企画や制作は「コンテンツSEO」と呼ばれることがあります。

このように、コンテンツに関する取り組みをSEOと一体化させることで、いっそう高い効果を発揮します。

コンテンツに関する取り組みをSEOと一体化させることで、いっそう高い効果を発揮する。具体的には、コンテンツが検索エンジンからきちんと評価され、多くの人に届けられるための施策を行うこと、消費者がどのようなキーワードで訪れたかを確認し、ニーズに合った情報を提供するなど、コンテンツの追加や修正を継続的に行うことである。

「広報」と「広告」にもSEOの発想を

次に「広報」と「広告」のマーケティング手法を考えてみます。

広報として、ソーシャルメディアのFacebookを例にすると、ある投稿で紹介したリンク先ページについて、見た人が魅力を感じ、実際に訪れてくれるかどうかは、そのページのタイトルや概要文、イメージ画像の質に大きく左右されます。特にタイトルや概要文には、見た人が興味を抱くであろうキーワードを含めておくことが大切です。

さらに、ページはホームページの資産として蓄積されていきます。中長期的な集客のためには、ページの公開段階からSEOの発想で最適化しておくことが大切です。このような取り組みを継続することで、ホームページへの集客の安定的な向上が見込めます。

リンク先ページに見た人が魅力を感じ、実際に訪れてくれるかどうかは、そのページのタイトルや概要文、イメージ画像の質の質に大きく左右される。特にタイトルや概要文には、見た人が興味を抱くであろうキーワードを含めておくことが大切。

広告として、リスティング広告(検索結果画面に表示させる有料のテキスト広告)を例にすると、キーワード設定や広告文の作成の点で、SEOとの共通点が多いものです。ここではGoogle AdWordsにもとづいて説明します。

キーワード設定では、リンク先ページに含めているキーワードと、消費者が検索するであろうキーワードの両面から複数のパターンを考えます。キーワードには、部分一致、絞り込み部分一致、フレーズ一致、完全一致、除外キーワードなどの「マッチ タイプ」を指定できます。つまり、消費者がどのような言葉で検索するかを「先回り」で考えることが、キーワード設定で不可欠です。

設定したキーワードそれぞれには「品質スコア」という10段階の値が与えられます。値が高いほど、広告とリンク先ページが消費者との関連性が高く、利便性が高いことを意味します。もし値が低ければ、キーワード設定や広告文を見なおす必要があり、このような改善プロセスはSEOの取り組みと共通します。

Google AdWordsでは、設定したキーワードそれぞれに「品質スコア」という10段階の値が与えられる。値が低ければ、キーワード設定や広告文を、必要であればリンク先ページの内容そのものを見なおす必要があり、このような改善プロセスはSEOの取り組みと共通する。

広報でも広告でも、情報を届けるべき相手は「人間」です。

コンテンツに関する取り組みをSEOとセットで考えること、検索エンジンの向こう側にいる消費者の興味や関心を考慮することが大切です(第1回:検索エンジンの向こう側のヒトを考える参照)。さらに、広報や広告、特にインターネットによる手法では、SEOの発想をうまく活かすことが成果の向上につながるでしょう。

SEOがマッチしないホームページもある

SEOの取り組みがあまりマッチしないホームページもあります。たとえば、次のようなケースが該当します(ただし、ユーザビリティの観点から、適切なページタイトルを指定したり、サイト構造をわかりやすくするなど、SEOと共通する取り組みを行っておくことが大切です)。

  • 中長期ではなく、短期的な集客を目指す
    (「広報」や「広告」による集客のほうがよい)
  • 消費者が知らない言葉を浸透させたい
    (消費者は知っている言葉でしか検索できないため)
  • 検索されにくい商品やサービスを販売している
    (入手がきわめて容易な日用品など)
  • コンテンツが少ない
    (ホームページ全体として充実していない)
  • 費用対効果を明確にしたい
    (SEOが成果に貢献したかどうかは、あくまで概算にとどまる)

同様に、広報や広告でも、事業やホームページの性格によっては、あまり効果が見込めないものがあります。たとえばリスティング広告では、次のような冷静な判断が必要です。

  • 利益率が低い商品やサービスに利用するのは得策ではない
    (利益が広告費を下回ってしまい、赤字になる恐れがあるため)
  • 検索されにくい商品やサービスに利用するのはむずかしい
    (消費者の「検索」という行為にマッチさせる広告であるため)
  • 必ずしも思うように広告が出稿できない場合がある
    (Google AdWordsの「品質スコア」など複雑なしくみがあるため)
  • 競合の状況によって単価が変動するなど、管理が煩雑になる可能性がある
    (競合が単価を大きく上げた場合、平均的な単価が上がり、見なおしが迫られる)

マーケティング手法それぞれには、向き不向き、メリットとデメリットがあります。予算や人手も無限ではありません。多様な選択肢のなかから、事業やホームページの性格に合ったものを選び、実施しましょう。

補足:インバウンド・マーケティングとは

ウェブの世界では最近、「インバウンド・マーケティング(inbound marketing)」という言葉をよく耳にします。簡単にいえば「消費者にホームページに足を運んでもらうためのさまざまな取り組み」です。消費者に自発的に発見してもらうという「プル型」の循環を生み出すのが目的といえます。

対義語としての「アウトバウンド・マーケティング(outbound marketing)」は、マス広告、ダイレクトメール、電話営業、飛び込み営業など、事業者側から消費者に直接働きかけるプッシュ型の取り組みを指します。

気をつけておきたいのは、たとえばリスティング広告やディスプレイ広告は、利用者が知りたい言葉やほしいものを検索した場合や、その人の閲覧履歴にもとづいて表示される広告であり、「インバウンド」と「アウトバウンド」の両方の性格をもっています。最近ではリマーケティング(リターゲティング)という、そのホームページに訪れたことがある人だけに広告を表示し、再訪をうながすしくみさえあります。

また、Facebookページで利用者に役立つ情報を発信し、ホームページへの訪問をうながすのであれば「インバウンド」ですが、Facebook広告の利用は「アウトバウンド」の性格が強くなります。このように、ソーシャルメディアの活用という面でも、インバウンドとアウトバウンドの明確な線引きはむずかしいものです。

結論として、そもそもホームページの運営それ自体がインバウンド・マーケティングであって、新しい言葉に右往左往する必要はないこと、手法によってはインバウンドとアウトバウンドの両方の性格を備えているので、明確に区別して考えるというより、時代として「消費者に自発的にホームページに訪れてもらうことが大切で、そのための工夫の余地はたくさんある」と理解しておくとよいでしょう。

まとめ

ホームページで取り組めるマーケティング手法は、大きく分けて「コンテンツ」「広報」「広告」の3つがあります。大切なのは、次のふたつです。

  • 「コンテンツ」に関する取り組みはSEOとセットで考えること
  • 「広報」と「広告」でもSEOの発想を活かすこと

さまざまなマーケティング手法のなかから、事業やホームページの性格にマッチしたもの、方向性に合ったものを選び、実施しましょう。

第5回では、適切な情報分類やカテゴリー分けの観点から、ホームページの構造とキーワードの関係を解説します。

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益子 貴寛(ましこ・たかひろ)

益子 貴寛(ましこ・たかひろ)

株式会社まぼろし 取締役CMO/株式会社サイバーガーデン 代表取締役
https://maboroshi.biz/
http://cybergarden.jp/

1975年、栃木県宇都宮市生まれ。早稲田大学大学院商学研究科修了。
Webサイトのコンサルティング、企画・設計、制作業務、教育、執筆活動に従事。社団法人 全日本能率連盟登録資格「Web検定」プロジェクトメンバー。元・金沢工業大学大学院 工学研究科(東京・虎ノ門大学院) 知的創造システム専攻 客員教授。

主な著書に『Web標準の教科書』(秀和システム)、『伝わるWeb文章デザイン100の鉄則』(同)、『現場のプロから学ぶXHTML+CSS』(共著、マイナビ)など。
2013年5月、企画・構成から監修、執筆まで総合的に関わった書籍『ウェブの仕事力が上がる標準ガイドブック 2 Webデザイン 第2版』(共著、ワークスコーポレーション)が発売。

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