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エキスパートコラム

ソーシャルメディアビジネス活用講座(全12回)

第10回:費用対効果の考え方

執筆:大月 茂樹(ニイハチヨンサン)

2014年1月15日更新

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「ソーシャルメディアビジネス活用講座」では、ソーシャルメディアをビジネスに活用するための心得、ソーシャルメディアを使った集客手法やコミュニケーションなどについて解説していきます。第10回のテーマは、「費用対効果の考え方」です。

Facebook、Twitter、Google+など、これらソーシャルメディア上の多くのサービスはビジネス用途であっても基本的に無料で利用できます。しかし、運営にはもちろん費用(コスト)がかかります。企業活動としてそれらを活用していく以上は、その運用にかかる費用、そしてソレによって得られる成果を具体的な数値で見込み、費用対効果を把握しておくことが大切です。

ソーシャルメディアの運用にかかる費用

ソーシャルメディアの運用において、まず考えなければならないのは人件費です。例えば、Facebookページへ投稿する場合、どのような内容の投稿をするか?その検討やそのための情報や素材の収集のための時間、そして、実際に投稿するための時間がかかります。

よほどの規模の企業でない限り、ウェブサイトの運用や広報を専門に担当する部署や担当者が置かれることはないですから、社内で比較的知識を持った人が担当者であることがほとんどでしょう。そして、本来の業務の合間に一定の時間を割いてソーシャルメディアの運用を行っているのが実情です。そうした場合、人件費はあいまいにされがちです。

しかし、ソーシャルメディア活用の費用対効果を把握するには、まず人件費をソーシャルメディアの運用にかかる費用としてキチンと考えるべきです。具体的な例をあげてみます。

  • Facebookページへ1日1回投稿する
  • その投稿には内容の検討、情報と素材の収集、実際に投稿するためにかかる時間とで計1時間かかる
  • 週に1回、インサイト機能を使ってその週の振り返りと翌週の方針の検討を行い、あわせて社内会議用のレポートを作成するのに3時間かかる
  • その会議は1時間で、担当者含め計3名が出席する

1名あたりの人件費が時給換算で2,000円だとすると、

項目 費用
コンテンツ制作費 2,000円 × 31日 = 62,000円
インサイト機能を使っての振り返り、方針の検討、レポート作成 2,000円 × 3時間 = 6,000円
社内会議 2,000円 × 1時間 × 3人 = 6,000円
74,000円

1ヶ月で74,000円、年間では74,000円 × 12ヶ月 = 888,000円の費用がかかることになります。社内で運用する場合、コンサルティング会社や広告代理店、Web制作会社などへ運用を委託する場合と比べ経費として出て行くお金がないように見えますが、実際にはこれだけの費用が人件費としてかかっていることはキチンと認識しておくべきです。

また、ソーシャルメディアの運用には人件費の他に、任意ですが以下のような費用もかかります。

  • Facebook広告費
  • アプリ開発やキャンペーン賞品などのプロモーション費
  • それに伴う自社サイトの更新費用など
  • 解析ツールの利用費

この他、投稿時に使用する写真素材の購入費、キャンペーン開催時には開催にかかる人件費なども加味する必要があります。

ソーシャルメディアは無料で利用できても、その運営には人件費を筆頭にさまざまなコストがかかることをキチンと把握しておきましょう。

ソーシャルメディア活用の効果

ソーシャルメディア担当の方の多くが、「いいね!」数やツイート・リツイート数などの数値で効果を測定されているようですが、それは間違いです。それらを増やすことはソーシャルメディア活用の本来の目的ではありません。

ソーシャルメディア活用の主たる目的は、ブランディングやコミュニケーション、販促や集客などです。ただ、こうした目的が達成されたか?は、解析ツールを使って具体的な数値で確認するといったことが難しいものです。それでは、ソーシャルメディア活用の効果、目的の達成はどのように考えるべきでしょうか?

ソーシャルメディア活用の効果の検証には、ブランドの好意度や認知度、新規顧客数や来店客数、LTV(顧客生涯価値)などのKGI(重要目標達成指標)と、「いいね!」数やツイート・リツイート数、リーチ数などのKPI(重要業績評価指標)をわけて考えることが大切です。

「いいね!」数やツイート・リツイート数などをKGIとして考えてしまうと、本来はブランド好意度・認知度の向上を目的としているにも関わらず、「いいね!」数などをかせぐことばかりに目が行ってしまい、何のためにソーシャルメディアを活用しているのかわからなくなってしまいます。

では、KGIとKPIの設定について具体的な例をあげてみましょう。

ブランディングが目的の場合

  • KGI(重要目標達成指標)の例
    • ブランドの好意度・認知度
    • 想起度
    • クチコミの質
    • LTV(顧客生涯価値)
  • KPI(重要業績評価指標)の例
    • 「いいね!」数、ツイート・リツイート数、リーチ数
    • 話題にしている人の数、クチコミ数

販促・集客が目的の場合

  • KGIの例
    • 新規顧客数・来店客数
    • 購入・利用意欲の度合い
    • ウェブサイトにおけるコンバージョン数
  • KPIの例
    • 「いいね!」数、ツイート・リツイート数、リーチ数
    • 話題にしている人の数、クチコミ数
    • ウェブサイトのアクセス数

これらは主だった例ですから、みなさんの業種・業態や状況に合わせた適切な目標とその数値設定をするようにしましょう。

KGIの測定方法

KPI(重要業績評価指標)、また、KGI(重要目標達成指標)の中でもウェブサイトにおけるコンバージョン数などは、インサイト機能やアクセス解析ツールを使って簡単に測れますが、ブランドの好意度・認知度やクチコミの質の向上、実店舗における新規顧客数・来店客数などのKGIはそれらのツールではデータが取れず、検証が難しいものです。

こうしたKGIは、基本的にアナログな手法でしか検証ができません。ブランドの好意度・認知度向上をKGIに設定しているのであれば、実際に顧客と接するときに実施したり、調査会社へ依頼して行うアンケートでデータを取得します。商品の購入時やサービスの契約時に既に実施しているアンケートがあれば、それへ設問を追加しましょう。

具体的には、「どこで知ったか?」の設問へ「Facebook」や「Twitter」などのソーシャルメディアアカウントを選択肢へ追加し、その上でブランドに対する好意度や認知度について回答してもらうようにします。

回答を集計して評価・検証しそれを継続していくことで、ソーシャルメディア活用がブランドの好意度・認知度の向上にどの程度・どのように貢献しているか?を測定できるようになります。

アンケートへ「Facebookページのファン、Twitterアカウントのフォロワーになってどれくらいか?」といった設問も加えると、自社のソーシャルメディアアカウントと接した時間によって、どのようにブランドの好感度や認知度が変化するか?といった検証もできるようになるでしょう。

また、インターネット上でのクチコミの量(KPI)と質(KGI)を測るには、エゴサーチが基本です。自社名、自社の商品・サービス名などをTwitterのキーワード検索やYahoo!リアルタイム検索などで検索してみましょう。そこへは、今まで届いて来なかった消費者の声が明らかにされていることもあり、商品やサービスの改善に役立つこともあります。

TwitterでiPhoneアプリの名称で検索した様子。アプリに対しての評価などを知ることができるほか、ツイート内のリンク先を見て「どこへプレスリリースするのが効果的か?」といったことも推し測れる

Yahoo!リアルタイム検索で拙著のタイトルを検索した様子。Facebookでの投稿(全体公開のものに限る)もヒットする

まとめ

『あのFacebookページは大した内容の投稿でもないのに、「いいね!」がいつもたくさんついている。』といったようなことを考えながら、自分のFacebookページの状況を憂いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

かく言う私もその一人だったりするのですが、そうしたとき実際にどのような人(Facebookユーザー)が「いいね!」しているかを見てみると、内輪の人(顧客には該当しない人)の「いいね!」ばかりであることも多いです。このようなことになるのは、おそらく初期のファン獲得を誤っているからであって、実際のところ成果には結びついていないでしょう。目的を見誤っているライバルのFacebookページのことを気にする必要はありません。

自社は自社で、キチンとKGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)を設定し、ソーシャルメディア活用の費用対効果を最適化していきましょう。

次回は、ソーシャルメディア活用におけるリスク対策についてお話する予定です。

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大月 茂樹(おおつき・しげき)

大月 茂樹(おおつき・しげき)

ニイハチヨンサン 代表
http://2843.jp/

1975年、岡山県加賀郡吉備中央町生まれ、岡山市在住。
岡山大学大学院自然科学研究科修了。地元岡山のSIerにて主に官公庁向けのシステム開発やサーバー構築へ従事。その後、Webプロダクションにてフロントエンド・バックエンド開発、Flash制作、一般企業にてインハウスでECサイト運営や各種制作業務を経て、2010年に独立。岡山を拠点にWebサイト制作・Web活用のコンサルティング、スマホアプリ開発などに携わる傍ら、それらをテーマとした講演活動も行なっている。
KDDIウェブコミュニケーションズ CPIエバンジェリスト、倉敷芸術科学大学芸術学部デザイン学科非常勤講師、中小企業庁「中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業」登録派遣専門家、岡山県商工会連合会「エキスパート・バンク」登録派遣専門家。

著書に『マルチデバイス時代のWebデザインガイドブック』(共著、ソシム)がある。

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