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エキスパートコラム

Web文章入門(全6回)

第2回:わかりやすい文章の10大原則

執筆:益子 貴寛(株式会社サイバーガーデン)

2012年7月25日更新

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「Web文章入門」では、ウェブサイトで求められる文章表現とコピーライティングのエッセンスを解説します。 第2回は「わかりやすい文章の10大原則」。論旨を明確に伝えること、ストレスを感じさせないことが、わかりやすい文章のポイントです。

10大原則に照らして、ふだんの自分の「書きグセ」を把握し、ウェブサイトの文章だけでなく、ビジネス文書やメール、ソーシャルメディアでも、常にわかりやすい文章を心がけましょう。

わかりやすい文章にはコツがある

文章は「文才」がなければうまくは書けない、と思っている人も多いでしょう。しかし、高度な創作性が求められるものを除いて、ウェブサイトやブログなどで日常的に書く文章は、ちょっとしたコツを身につけるだけで驚くほど上達します。

わかりやすい文章のポイントは、

  • 論旨を明確に伝える(理解しやすさの向上)
  • ストレスを感じさせない(読みやすさの向上)

のふたつです。

では、わかりやすい文章の10大原則を見ていきましょう。

論旨を明確に伝える

1. 一文を短く

1.一文を短く

一文が長い(句点のない)文章は、読み手の思考に切れ間を与えないので、けっきょくなにがいいたいのかがわかりづらくなります。特に「が」は、文を転回させるのに便利で、安易に使いがちなので要注意です。
話し言葉でも、「~が、~で、~が、~が」と一文を長く話す人よりも、「~です。~ました。~でした。」と短く言い切りながら話す人から、より強い説得力を感じるものです。慣れないうちは文章をひととおり書いたあとでよいので、なるべく句点(。)を入れられないか検討しましょう。

2. 結論を最初に

2.結論を最初に

企画書や提案書などのビジネスライティングでは、結論を最初に示すのが鉄則です。ウェブサイトも基本的に同じで、読み手に伝えたい結論を最優先で書きましょう。「理由 → 結論」ではなく「結論 → 理由」という文の流れを意識し、クセづけることが大切です。

結論を最初に書こうと意識すると、自然とムダのない文章が書けるようになります。さらに、文章全体がわかりやすくなるだけでなく、ななめ読みや拾い読みがしやすくなる(冒頭に注目すればよいため)、という大きなメリットも生まれます。

3. 主語と述語を近づける

3.主語と述語を近づける

論旨を支えるのは主語(だれ/なにが)と述語(○○する/○○した)です。ふたつの間に文章があれこれとはさんであると、論旨がぼんやりとしてしまいます。述語まで読み進んだときに「主語はなんだったけ」と読み返す手間が発生する場合もあります。

主語と述語以外は、うまくまとめて冒頭に置いたり、別の文とするとよいでしょう。

4. あいまい表現をしない

4.あいまい表現をしない

あいまいな表現が多い文章からは、歯切れのよさやリズムが感じられません。説得力も弱くなってしまいます。迂回した表現や「思います」はなるべく使わず、ハキハキとした文章にしましょう。

「など」も要注意です。「そのほか」「余地」「可能性」を表すのに安易に使いがちですが、不要なケースがほとんどです。英語の文章で考えると、頻繁に「etc.」や「and so on」が出てくるのがおかしいように、「など」をつける必要が本当にあるかよく考えて使いましょう。

5. 受け身表現をしない

5.受け身表現をしない

「~される」という表現を受動態(受け身)といいます。「使われています → 使っています」「作られる → 作る」と、受動態を能動態に変えることで、文章があとずさりではなく前傾姿勢になり、論旨が読み手にはっきりと伝わるようになります。

ストレスを感じさせない

6. 句読点をわかりやすい位置に

6.句読点をわかりやすい位置に

読点(、)は「息つぎ」の位置に入れるのが自然です。読点がたくさん打たれた文章からは、ひっきりなしに息つぎをしているような印象を受けてしまいます。読点は息つぎが必要な場所だけ、と意識しましょう。

読点の別の効果として、「主語と述語の対応関係をはっきりさせる」というものがあります。たとえば「彼は不愉快に感じて出口に向かった彼女を呼び止めた」という文章では、彼が不愉快に感じた(から呼び止めた)のか、彼女が不愉快に感じた(から出口に向かった)のかがわかりません。「彼は不愉快に感じて、出口に向かった彼女を呼び止めた」と読点を打つことで、「不愉快に感じた」のは「彼」であることを明らかにできます。

句点(。)については、「1. 一文を短く」を参考にしてください。

7. 接続詞を少なく

7.接続詞を少なく

接続詞は文を接続する語で、「および」「または」「しかし」「そして」「なお」「だから」「あるいは」などがあります。あまり頻繁に用いると、なんとなく文がダラダラとつづいている感じを受けます。接続詞をなるべく使わないようにすると、文章全体がすっきりします。

文の途中で出てくる「および」や「または」は、「と」「や」「、」でつないであげるとスマートです。

8. ひらがなを多く

8.ひらがなを多く

漢字が多すぎる文章からは、仰々(ぎょうぎょう)しさ、かた苦しさを感じます。本や雑誌などの紙媒体でも、むずかしい漢字はひらがなにする傾向があり(このことを「ひらく」といいます)、ウェブサイトの文章もそれにならって、ひらがなを多めにするように心がけましょう。

固有名詞、四字熟語、慣用句、漢字でなければ雰囲気が伝わらない言葉は、漢字のままでかまいません。これらのなかでも難解な漢字には、カッコ書きで読みがなを振るのが親切です。

9. カタカナを効果的に

9.カタカナを効果的に

日本語の文章はひらがなが多いため、擬音語(音を表す言葉)、擬態語(動作や状態を表す言葉)、食材をカタカナにすると、ひらがなのなかに埋没しないので目に止まりやすくなり、文章全体が華やかになります。

ほかにも、「コツ」「ブレ」「ヘン(変)」「ワケ(訳)」などにカタカナを使うと、独特のニュアンスが伝えられます。カタカナにするのが明らかにおかしい場合は、ほかの単語と区別しやすくするためにカギカッコで囲む、というテクニックも覚えておくと便利です。

10. クドい文末にしない

10.クドい文末にしない

文末は短くすっきりとしていたほうが、読んでいて気持ちがよいものです。特に「~できます」に注目し、短く表現できないか考えてみましょう。たとえば「つけることができます → つけられます」「いただくことができます → いただけます」というようにです。

最近、「~させていただきます」という、やや過剰な敬語をよく見聞きします。「明日は定休日のため、休業させていただきます」「この案で決定とさせていただきます」「書類を送付させていただきます」という表現です。

表現として過剰なことに加えて、文末が長くなるので次の文にスムーズに入りづらい、というデメリットがあります。「~させていただきます」とせずに、「明日は定休日のため、休業いたします」「この案で決定とします」「書類を送付いたします」としたほうがスマートです。

まとめ

わかりやすい文章の10大原則は、次のとおりです。

  1. 一文を短く
  2. 結論を最初に
  3. 主語と述語を近づける
  4. あいまい表現をしない
  5. 受け身表現をしない
  6. 句読点をわかりやすい位置に
  7. 接続詞を少なく
  8. ひらがなを多く
  9. カタカナを効果的に
  10. クドい文末にしない

これら10個のうち、自分がよくやってしまいがちなクセを把握し、ウェブサイトだけでなく、日々、ブログやメールを書くとき、ツイッターやフェイスブックに投稿するときに気をつける(きちんと読み返して、なおす)ことが大切です。

第3回では、飲食店のウェブサイトを例に、お店の「こだわり」を伝える方法を解説します。
(第3回につづく)

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益子 貴寛(ましこ・たかひろ)

益子 貴寛(ましこ・たかひろ)

株式会社まぼろし 取締役CMO/株式会社サイバーガーデン 代表取締役
https://maboroshi.biz/
http://cybergarden.jp/

1975年、栃木県宇都宮市生まれ。早稲田大学大学院商学研究科修了。
Webサイトのコンサルティング、企画・設計、制作業務、教育、執筆活動に従事。社団法人 全日本能率連盟登録資格「Web検定」プロジェクトメンバー。元・金沢工業大学大学院 工学研究科(東京・虎ノ門大学院) 知的創造システム専攻 客員教授。主な著書に『Web標準の教科書』(秀和システム)、『伝わるWeb文章デザイン100の鉄則』(同)、『現場のプロから学ぶXHTML+CSS』(共著、マイナビ)など。
2013年5月、企画・構成から監修、執筆まで総合的に関わった書籍『ウェブの仕事力が上がる標準ガイドブック 2 Webデザイン 第2版』(共著、ワークスコーポレーション)が発売。

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