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エキスパートコラム

業種別ホームページカラーガイド(全12回)

第10回:農業・漁業のホームページの配色

執筆:坂本 邦夫(フォルトゥナ)

2017年1月23日更新

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このコラムでは、業種ごとに「合う色と合わない色」「注意すべきこと」をまとめています。

毎回、異なる業種を取り上げて解説しますが、それらの業種でよく使われる色やたびたび見られる失敗があり、それにはきちんとした理由があります。それに加え、ホームページの色は、看板や紙のパンフレットと同じ色の場合であっても、画面の構成や使い方のポイントも異なります。

第10回目は農業・漁業のホームページの配色です。

農業・漁業でよく使われている色

農業・漁業のお店などの色は取り扱っているものが陸のものか海のものかで、使う色も変わりますが、どちらも自然のものを扱っていることでは同じです。

これらの業種では、商品が1つしかなければ、その商品の色そのもの使うのが一般的です。例えば蟹の通販を専門で行っているのであれば赤を、柿だけを売っているのであれば柿色を使います。

様々な商品があったり、ネットショップのように直接ホームページ上で販売を行っていない場合には、海や陸のように産地の自然の色が使われることが多くなっています。言い換えれば、自然では見られないような電飾のようなケバケバしい配色は避けた方がよいでしょう。

農業・漁業のホームページで使われている色を大まかに分類すると以下のようになります。

  1. 水の青色あるいは赤
  2. 陸のさまざまな色

農業・漁業関連で多く見られる色

上記の3つの色は、生産者であれば1か2のどちらか、それに加えて目立たせるための色(後述)が1~2色選ばれます。

画面全体の色を見た場合には、海は空の色とも合わさって青一択になってしまいますので、その印象を強調するために青が派手な方向に向かいます。それ対して陸の色は土や緑・紅葉の色のように選択肢も多く、穏やかな色が使われる傾向にあります。

海と陸の印象と色の違い

また魚のお取り寄せができるネットショップでは、青の代わりに赤がメインの色としてよく使われています。この場合、赤でにぎわいを出し、写真の色で商品を伝えることになります。

色の使い方と配色のポイント

配色は1の水の色、2の陸の色のどちらかからメインとなる1色を選ぶところからはじまります。

色数が増えるほど海・魚・果実などの印象が薄められてしまいます。もしネットショップなどで多くの色を使ってにぎやかに見せたい場合であっても、基本となる色は1つだけとし、商品の写真やイメージ画像で色数を補うようにします。

水の青色

漁業に関するホームページの場合、魚を捕るのか売るのかなどそのページの内容によって異なりますが、やはり海の写真が使われることが多く、その場合には空の青も写りますので、船や魚などが写っていなければ、画面全体が青くなってしまいます。水の色の印象は強くなりますが、内容が伝わりにくくなることがあります。

見せたい内容によって背景を調整

図はすべて同じ写真ですが、同じ背景色によってはその目立ち方は変わります。海に関するホームページでは大きな青い背景を敷くこともありますが、中央の部分がきちんと見えてこそホームページの意味がありますので、大きく青い背景色を使うことはおすすめしません。もし使うのであれば薄い水色や灰色を敷くか、中央部分は白抜きにするなどの配慮が必要です。

漁業の中でも川や湖など場合には、農業のホームページで使われるような控えめな色が多く見られます。水の色でも少し薄い色が使われたり、土・や葉の色が使われたりと、海に比べて穏やかな色を中心とした配色になります。

またネットショップでは青ではなく、赤が使われることが多く、これは大漁旗のイメージからだと思われます。

陸のさまざまな色

農業の場合、やはり使われる色は実りを表現した色となります。お米であれば稲穂の色や実った田畑の色、山・土の色です。秋の野山の写真の色から1色を選び、目立たせたい部分には紅葉の色を使うだけで、配色の失敗率はぐんと下がります。

ただしこれらの色も実際の紅葉のように色とりどりで使うと画面がにぎやかになりすぎてしまいます。やや控えめな色に加えて、目立たせたい部分に2色程度選ぶくらいにしておくのが無難です。

実りの秋の写真から色を選ぶ

お米や果物の通販でも赤をメインに使ったページは見られますが、海産物ほど多くは見られません。どちらかというと太陽や土の色に近いオレンジの方が選ばれているようです。

魚と野菜の通販ページの配色例。海産物の方が色があざやかな傾向にある

目立たせるための少しあざやかな色

メインとなる1色に加えて、それより少しだけあざやかな色を、目立たせたい部分のために選びます。

あざやかな色としては、漁業の場合には赤が、農業の場合には土や木からの連想であるオレンジが多く選ばれる傾向にあります。

「あざやかな青がメインに使われているページでは、それに負けないような強めの赤を使う」というように、元々の色よりも少し強めの色を選ぶのが基本となります。ただし、派手であればいいというわけではありません。ありとあらゆる場所において目立つ必要があるのは、信号など危険を表示するようなものだけです。

ホームページの場合には、上から順に読んでもらえるというメリットがあります。実際に見られるのはページ内のごく一部だけですので、無理にすべてを目立たせようとするのではなく、周りより少し目立つ色を選ぶようにします。「目立つ」のは何も色を変えるだけではありません。大きさや配置を工夫するだけでも目立たせることはできます。

単に派手な色を選ぶのではなく、「周りより少し目立つ」ように色を配置する

まとめ

  1. 海・陸を連想させる1色と、目立たせる色の組み合わせで配色する
  2. 海以外の漁業関係の色は、海よりも穏やかな印象の色が使われる
  3. ネットショップでは海の場合には青と赤が逆に使われることも多い
  4. 農業関係は実りの秋の色からの連想
  5. 目立たせるための色は、周りより「少しだけ目立つ色」と意識して選ぶ
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坂本 邦夫(さかもと・くにお)

坂本 邦夫(さかもと・くにお)

カラー&Webデザイン フォルトゥナ 代表
http://www.color-fortuna.com/

1973年、大阪府東大阪市生まれ。関西大学文学部史学地理学科卒業。
2004年、色彩に関するノウハウをまとめたウェブサイト「基礎からわかるホームページの配色」を公開。以後、Web制作コンサルティングを主な業務としながら、書籍や雑誌などへの寄稿・セミナーなどで、ウェブにおける色彩環境の向上を使命として活動。日本色彩学会正会員。

主な著書に『ウェブ配色 決める! チカラ - 問題を解決する0からスタート ホームページ配色入門』(ワークスコーポレーション)、『ウェブ配色 コーディネートカタログ』(技術評論社)など。

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