エキスパートコラム
そのホームページ、ほんとうに作る意味ある?
~ホームページを作る前に考えること~(全6回)
第6回:ホームページの存在を知らせるためにできること
執筆:山本 和泉・藤川 麻夕子(株式会社エフシーゼロ)
2014年8月11日更新
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このコラムでは、いっちょホームページ作ってみよう!と思っている方のために、最初の最初に考えるべきことをお話します。あなたのホームページが「意味のあるもの」になることを願って。
6回目・最終回は「ホームページの存在を知ってもらう」というお話。ホームページを作っても、そのままでは存在がどこにも知られない状態です。できあがったページをどうやって広めるかを作る前に考えておくと安心ですよね。
ホームページは、存在を知らせないと見てもらえない
ホームページを公開すると、理屈上は世界中の人が見られる状態になりますが、公開直後に何もしない状態では、ホームページのアドレスを知っている人しかホームページにたどり着くことができません。アドレスを誰も知らない=誰にもホームページを見てもらえない、ということになってしまいますので、なんらかの方法で「知らせる」必要があります。
ホームページをつくるにあたって「つくったあとにどうやって広めるか」ということをあらかじめ考えておくと、今後の運営がスムーズになります。
ホームページの存在をを知らせる方法はいろいろありますが、ここではみなさんが比較的手をつけやすい方法をいくつか紹介します。これらの方法を組み合わせて試行錯誤しながら、多くの人に自分のホームページを知ってもらいましょう!
広める方法その1:検索エンジンに載せる
Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンサービスでは、ホームページを巡回する「クローラー」と呼ばれるロボット(プログラム)が動いています。世界中のホームページを日々回って情報収集をして、それをもとに検索結果を表示しています。まずはこのロボットに自分のホームページの存在を知らせることが、検索エンジンへの掲載の第一歩です。
ロボットに知らせる方法として、もっとも代表的なGoogleの「ウェブマスターツール」へ登録しておくことをおすすめします。こちらに登録をすると、同じエンジンを使っているYahoo!にも反映されることになります。 登録の操作は、はじめての方にはちょっとハードルが高いのですが、はじめてWEBの赤間さんのコラム「自分でできる週末SEO(検索エンジン最適化)第1回:作りたてのホームページは孤立無援!検索にヒットさせるために行うべきこと」にわかりやすい解説がありますので、参考にしてください。
ただし、登録をしても希望のキーワードでいきなり検索結果の最初のほうに表示されるとは限りません。最初のほうに表示するには、ある程度の期間をかけてコツコツと改善していく必要があります。このあたりは、はじめてWEBのSEOのカテゴリーを参考にするとよいでしょう。
広める方法その2:リンクをはってもらう
検索エンジン対策で重要と言われているのが「外部リンク」です。ホームページがいかに「よいホームページ」からリンクを貼られているか、という要素は、検索エンジンが「ホームページの質の良さ」を判断する基準になります。
ただ闇雲にリンクがあちこちから貼られていればよいということではなく、自分のホームページの内容と関連性があるようなホームページからリンクが貼られることが重要です。たとえば、自分のお店や会社が属する業種のホームページを集めたリンク集に自分のホームページがあれば、見る人も検索しやすくなりますよね。見る人にとって検索しやすいホームページは、ロボットにとっても検索しやすいと言える場合が多いのです。
広める方法その3:ソーシャルメディア(Facebook、Twitterなど)でも発信する
TwitterやFacebookなどのWebサービスのことを「ソーシャルメディア」と言ったりします。人と人とのつながりをベースに情報を広めることで、多くの人に伝えることができます。最近はテレビ・ラジオ番組などでもあちこちで取り上げられ、利用者の数もどんどん増えていますので、使い方によってはホームページの存在を多くの人に伝えることができるかもしれません。
Facebookには「Facebookページ」という機能があります。Facebookを利用している人がこのページに「いいね!」をすると、ページの最新情報がその人に直接届くようになります。個人のFacebookアカウントとは別に管理できるので、会社やお店の情報発信専門ページとして活用することができます。Facebookページは、Facebookに入っていない人でも見ることができます。
たとえば、以下の企業公式Facebookページは「いいね!」の数も多く有名ですが、このようなページは無料でだれでも作ることが可能です。(もちろん、ここまで「いいね!」の数を増やすのはかなりの努力が必要です)
Twitterでも、お店や会社専用にユーザー登録をして、最新情報を発信するという形で使われる場合が多いです。会社やお店だけではなく、自治体や芸能人なども積極的に活用しています。
ソーシャルメディアの場合、あくまでも情報拡散は「人の興味」がベースです。FacebookページやTwitterで毎日発信しているだけで多くの人に伝わるとは限りません。発信された情報に対して、見た人が興味を持って人に伝えたいと思わない限り広まっていかないので、興味を持ってもらえるような発信の工夫が重要になってきます。
基本的な考え方はホームページでの情報発信と同じで、「伝えたいことを一方的に発信するのではなく、相手に伝わるように発信する」ということが重要です。このあたりは今まで書いてきたコラムにもヒントをいろいろ書いているので、ぜひ読んでみてください。
広める方法その4:インターネットではない手段で知らせる
ホームページを知らせる手段は必ずしもネットだけとは限りません。むしろ初めてホームページを立ち上げるのであれば、ネットで伝達するパワーはかなり弱いと言えます。 お金のある大企業であれば、これをテレビCMや電車内の広告などで行ったりするわけですが、そういった予算がない中でできることをやっていく必要があります。
たとえば、以下のようなことは比較的やりやすいと思います。
- 会った人に直接伝える(最初のうちはこれが一番効果的!)
- 名刺にホームページのアドレスを書く
- メールの署名にアドレスを入れる
- ショップカードや看板などにアドレスを載せる
- 営業資料、セミナー資料などにアドレスを載せる
- 実店舗があるなら、店内にアドレスの案内の張り紙をする
こういったこともお金や時間がかかるものですので、ホームページを作る前に計画しておいて同時進行で進めておくと、すぐにホームページの存在を広める準備ができます。
まとめ:ホームページに「完成」はない
以前のコラムでも書きましたが、ホームページは「公開」がゴールではなく、むしろスタートです。公開後にどうするかでホームページの運命が変わります。ホームページは、紙と違って「変えられる」というのが大きな特徴であり、変わっていくことが当たり前のメディアです。
ホームページを見る人の求めるものや見る環境、デザインのトレンドなども年々変化しています。最近は、スマートフォンやタブレットでのアクセス増加のため、長年運営されているホームページをスマートフォンやタブレットで見られるようにしたいというご要望をいただくことがとても多いです。私たちWeb制作者も、日々変わっていく技術や知識を追いかけるのに必死です。
まだまだホームページは奥が深く、思い通りにいかないことも多いかもしれません。試行錯誤しながら、常に「どう変えたら伝わるか」を意識して、自分のホームページをよりよく育てていきましょう!(おわり)
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