エキスパートコラム
この連載では、個人や中小企業でホームページ制作や運用を担当している人、店舗などを運営しながらホームページづくりに関わっている人に役立つ記事を10個、解説つきで取り上げます。
1. クリエイティブのPDCA、ちゃんとまわせていますか? ―サイクルの確立と好調バナーの横展開事例―(アド論)
2. 物販を成功させるスマホサイト制作4つのポイント(キーワードマーケティング公式ブログ)
ECサイトを前提にしていますが、すべてのサイトに通じるノウハウです。
コンバージョンを獲得できるスマートフォンサイトは、
- 何のショップかひと目で分かること
- 使い勝手がよいこと
- 見込み客のニーズ(期待すること、悩み)に応えられるコンテンツ(情報)があること
- 購入に向けて行動しやすいこと
が大切とのこと。
2と3の改善にはじっくりと取り組む必要がありますが、1と4はすぐにできることです。
具体的に、1はファーストビュー(スクロールなしで見られる、最初に表示される範囲)の改善です。ロゴやサイト名、わかりやすい写真、キャッチコピーなどを配置するのがセオリー。
4は購入ボタンや電話番号、問い合わせへのリンクを、ユーザーにわかりやすく提示することです。ヘッダーなどの定位置にこれらのリンクを置くのはもちろん、ページの終点となるフッターの前あたりに、これらへの動線を目出つようなデザインで配置するのが効果的です。
3. 高齢者世帯のEC利用率は14.3%、EC支出が多いのは「旅行」「食料」(ネットショップ担当者フォーラム)
数年前にいわれた「高齢者はインターネットを使っていない」という常識は、すでに過去のもの。情報サイトや各種サービスはもちろん、EC(インターネットショップ)を利用する高齢者が着実に増加しています。
高齢者がもっともよく支出するのが旅行関係費(24.4%)。次いで、食料(16.0%)、家電・家具(9.7%)、教養関係費(8.3%)、衣類・履物(7.6%)とのこと。
定年制廃止に向けた動きもありますし、高齢者の定義そのものが無意味になりつつあるのかもしれません。
4. EC売上1000億円突破のヨドバシカメラなど通販売上ランキング2017【ジャンル別】(ネットショップ担当者フォーラム)
アマゾン(Amazon.co.jp)のひとり勝ちが続く中、家電系ショップでは「ヨドバシカメラ」が元気。1,000億円の大台を突破し、全社売上高に占める割合も15%を超えたとのこと。
税込み価格表示、全国送料無料、注文当日配達、最長180日間補償など、サービス面での企業努力がもちろんあってこそ。私の周りにも、ヨドバシカメラのファンが多いです。
家具系ショップでは「ニトリ」が好調のようで、売上高は前年比33.1%増の226億円に。2015年6月のサイトリニューアル時には、6日間ほど停止期間が発生するなどの苦難がありましたが、それを乗り越えて売上を堅調に伸ばしています。
5. あなたの会社のSNSが売上に貢献しない3つの理由(ネットショップ担当者フォーラム)
SNS(ソーシャルメディア)の活用は、いまや会社の規模を問わず、消費者とのコミュニケーションをはかる上で大切な時代に。活用目的として、売上への貢献がシビアに求められるケースもあるでしょう。
記事では、「SNSは、認知してから商品を購入してもらうまでに、一般的な広告以上に時間と手間とお金がかかる販促ツール」であるとしつつ、売上に貢献しない理由として次の3つをあげています。
- 「継続して見たいSNS」にならない
- SNSは利益になるまでに時間がかかる
- お客さんに伝えたいことがない
特に中小企業では、SNS運用代行やコンサルティングを依頼する予算がなかったり、社内に適任者がなかなかいないケースがほとんどでしょう。また、SNSへの距離感も担当者によってさまざまです(ウェブ解析士協会の拙稿「ウェブ担当者のソーシャルメディアへの距離感と対処法」をご参照ください)。
SNS運用は、面白がって取り組んでくれる人を見つけることが、何よりも大切だと思います。
6. ネガティブな口コミ、野放しにしてませんか? ピンチをチャンスに変えるSNS起点のコミュニケーション(MarkeZine)
引き続き、SNS関連の記事です。
SNSやブログなどでのネガティブな反応を、どのように乗り越えていけばよいか、3つの企業事例とともに解説しています。
数年前から「ソーシャルリスニング」(SNSでの消費者の声を業務改善に活かす)の取り組みは行われてきましたし、最近では消費者のツイートなどに企業担当者が積極的にコメントをつけて、直接的な解決をはかる「アクティブサポート」を行う企業も増えています(ドン・キホーテの公式Twitterアカウントなど)。
筆者の「企業やブランドに対する『ネガティブな情報がある』ことを前提としながら、『自身も完璧ではない』ことを軽やかに伝えられる企業、ブランドのほうが生活者の共感を得られやすいのではないでしょうか」という意見に同感です。
7. 染谷が考えるコンテンツマーケティングとは(染谷昌利公式ブログ)
長めで骨のある記事です。「コンテンツマーケティング」は、あまり大げさに考えずに「コンテンツづくり」と読み替えるとわかりやすいでしょう。
コンテンツの具体的な発想法として、独自性や強みの生み出し方や、フロー型コンテンツ」と「ストック型コンテンツ」の2つのアプローチは、特に覚えておきたいところです。
ところで、記事の真ん中あたりに出てくる「5W3H1R」という言葉、はじめて見ました。特に「1R」がまったく類推できなかったのですが、知れば納得。コンテンツづくりに欠かせない大切な視点です。
では「1R」とは何なのか。ぜひ記事で確認してみてください。
8. SEO的にベストな「毎年開催するイベントのURLルール」とは【SEO記事12本まとめ】(Web担当者Forum)
まず結論を示すと、定例のイベントページは固定のURLで公開しておき、終わったらサブフォルダなどに整理し直すのが理想とのこと。なぜなら、固定のURLに対する「検索エンジンの評価が蓄積される」からです。このイベントといえばこのページ、と評価してもらえる可能性が高まります。
年に限らず、一定の頻度で開催するイベントや催し物のページが広く該当するでしょう。ブランド力の強いイベントであれば、ユーザーの多くがイベント名で検索するはずです。検索エンジンからの評価が高く、イベント名で検索したときにそのページが表示されることで、ユーザーに最新回の情報をスムーズに伝えられます。
9. iPhone X対応におけるデザイン上の注意ポイント(fladdict)
UI設計のエキスパート、深津貴之さんのブログ記事です。
2017年9月12日(現地時間)にアップルから発表された新製品「iPhone X(テン)」。ご存知の方も多いと思いますが、これまでのiPhoneと異なり、最上部のセンサーエリアがディスプレイに食い込んだ独特の形状となっています。この特徴をして、深津さんいわく「なにこのデザイナー泣かせの変態端末」と。
サイトデザインやアプリデザインで想定されるリスクや追加作業がわかりやすくまとめられていますが、徹底しようとするとかなり本格的な対応が必要そう。
普及までタイムラグがありますので、私はもう少し様子を見ておくとします。
10. 「売れる店の条件」は、もう変わっています(ECバカ一代)
最後に、ちょっと立ち止まって考えたい記事を。
見出しを斜め読みしただけでも、
- 未来の商売は「イヤになるほどガラス張り」
- 道路のせいで寂れた町
- ローカルでの強み ≠ 全国区での強み
- 競争激化「後」を見据える
- 「売れた」はゴールではない
と、店舗だけでなく多くの企業にも求められる「サバイバルのための発想法」だと思います。
筆者の「イオンVS商店街の時代と違い、今の世の中は多様化に向かっています。だから我々中小企業は多様性を発揮すべきです」という言葉に、勇気づけられた気持ちが半分、しっかりと考えなければという気持ちが半分です。
いちばんよくわかるWebデザインの基本きちんと入門 (Design&IDEA)
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今月のイチオシ記事。
「クリエイティブ」といっても、バナー(画像)広告のことだと思ってください。広く、ホームページに置いているキャンペーンバナー、目立たせたい商品のバナー、アイキャッチ的な画像なども含めて考えましょう。
私もリスティング広告を運用していて思うのが、ずっと同じバナー広告を使い続けていると、効果(クリック率など)が落ちてくること。はじめは消費者にとって目新しいバナー広告も、時ともに飽きられたり、風景の一部のようになってしまったり。バナー広告はたまにテコ入れをする必要があります。
記事では、
の3つがポイントとのこと。
筆者の「私が担当している広告主様の案件では、約1,200本/月ほどのバナーを作成し高速PDCAを行っています」という一文に驚きました。私たちは当然、ここまではできなくても、現在使っているバナーがデザイン的に古くなってないか、ユーザーに飽きられていないかを、まずは見直してみましょう。