エキスパートコラム
みんビズ制作講座:上手に素材を使いこなそう(全3回)
第1回:素材を使うその前に~使用上の注意とルール~
執筆:原 一宣。(株式会社Gazi工房)
2013年6月14日更新
閲覧数24,833views
ホームページを彩る素材
ホームページを作成するにあたって、イラストや写真などの画像、背景の壁紙、アイコンやリスト、見出しやボタンなどのパーツ素材、動画や音楽、プログラムなど、画面を彩る素材の存在は欠かせません。
インターネット上には、そんな素材を有料・無料問わず提供しているサービスが数多く存在します。
この講座では、これらの素材を提供するサービスを上手に利活用する方法をお伝えいたします。
素材を使用する、その前に
ホームページを作成する際に、素材を無料でダウンロードしたり、有料で購入したりと様々な方法でホームページ素材を手に入れることができます。
手に入れた素材は、すべて思いのまま使用することができると思われる方もいらっしゃいますが、実際は違います。今回は、素材を使用するにあたり注意することをお伝えいたします。
著作権
著作権とは
文芸や芸術、美術、音楽などのさまざまな著作物の権利を保護するための法律が著作権法です。アイディアや思想やノウハウ、感情などを創作的に表現した著作物の作者(著作者)に認められる法律となり、知的財産権の一つとして位置づけされています。
日本の著作権法は、著作物を創作した時点で著作権が自動的に発生し、手続き等を行わなくても著作権は著作者に帰属し保護されるしくみです。
これらのことから、©やCopyrightなどの著作権表示が無いからと無断で他人のホームページから写真や画像を拝借して使用するなどの行為は許されません。
また、著作権は知的財産権の分類にあてはまるので、著作権の放棄(著作者人格権は放棄できない)や譲渡(契約が必要)が行えます。
著作権侵害をすると、どうなる?
著作権の侵害は親告罪にあたり、著作者など著作権を侵害された側が告訴をしないかぎり、罰せられることはありません。もちろん、訴えられなければ大丈夫ということではありません。
著作権を侵害し訴えられた場合は、民事であれば損害賠償責任。故意の著作権侵害は、場合によって刑事責任に問われることもあります。
素材の著作権
有料、無料を問わず、ホームページ用の素材として配布されているものにも著作権が適用されます。ホームページの素材として配布されている性格上、どのように使用すれば良いか等の使用方法や利用規約、使用許諾、ライセンスガイドなど明記されていますので、まずは良く読み理解することが必要となります。
【参照】
著作権に関しての詳しい情報を知りたい方は、文化庁のWebサイトをご覧ください
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/
ライセンス制度
パブリックドメイン
著作権を放棄し、知的財産権が発生していない状態のことを「パブリックドメイン」と言います。この「パブリックドメイン」となった著作物は、知的財産権の侵害を根拠としての利用差し止め、損害賠償請求を求めることができなくなります。
ライセンス
著作権を放棄せずとも、多くの人に著作者が創作した著作物を利用してもらいたい、つまり「条件を守れば、その範囲内で自由に作品を使ってください。」と意思表示をするための枠組みやツールが、ライセンス(使用許諾条件)となります。代表的なライセンスとして、BSDライセンス、MITライセンス、クリエイティブ・コモンズなどがあります。
クリエイティブ・コモンズ
クリエイティブ・コモンズは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの名称です。CCライセンスを利用することで、著作者は著作権を持ったままに作品を自由に流通ができ、受け手はライセンスの条件範囲内で再配布や編集などをすることができます。
CCライセンスの種類
著作物の利用のための条件は4種類あります。
![]() |
表示:著作者のクレジット(氏名、作品タイトルとURL)を表示すること |
![]() |
非営利:営利目的での利用をしないこと |
![]() |
改変禁止:元の作品を改変しないこと |
![]() |
継承:元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開すること |
この4種類のライセンスマークを組み合わせて、6種類の基本的なCCライセンスが表示することができます。
【参照】
creative commons JAPAN | クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは
http://creativecommons.jp/licenses/
素材を使用するにあたって、気をつけること
使用しても良い素材なのか確認する
ご自身のホームページで使用したいと思っている素材は、自由に使用しても良い素材であるか、使用にあたり条件はあるかを確認することが大切です。
無用なトラブルを避けるためにも、出自や作者、権利者および使用条件がわからない素材は使用しないということも大切になってきます。
次回は、写真・イラスト素材を提供しているサイトを実際にご紹介いたします。
ああしたい、こう変えたいが手にとるようにわかるCSS基礎
CSSの仕組みや書き方、考え方をていねいに解説した入門書です。Webサイト(ホームページ)作成の初心者の方がCSSを書くときに、一番難しい点のひとつが「どこを変えるか」を見つけることです。そのため本書の解説では、CSSの書き方や使い方だけではなく、「変えたい場所の探し方」(HTMLと組み合わせたCSSの読み方、セレクタの使い方)を理解し、身につけてもらうことに重点を置いています。Webサイトやブログのデザインをカスタマイズしたい方、CSSをゼロからしっかり学びたい方に最適の内容になっています。